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オープニング1 いらっしゃいと鳥は泣く

 

2003年4月4日までのPBW版オープニング。
この時点の門番は塚本圭太?だった。
仮冥界にやってきた人間は門番との会話を経て、各自街に出る。

 
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やー、いらっしゃーい。

 

うん、ここは仮冥界ってんだよ。知らない? 知らないよね。俺も知らなかった。

俺?

俺は塚本圭太ってんだ。えーと、高校生。うん、生界ってまだ、高校ってあるよね。じゃあ高校生。

んで。

ここは仮冥界っていう世界だよ。

うん、そう。あんた死んだの。

憶えてない? うそだあ、憶えてるデショ。

思い出せない?

んじゃあ憶えて。ここは仮冥界っての。あんた死んだの。

なんでって? 

 

身体、錆びたろ? んで死んだの。

 

みんなそうやって死んで、んで一部がここに流れ着くみたいね。そこらへんは俺もよく知らんけど。

え、うん、もういいよ、憶えてても憶えてなくても。自分の死に際、覚えてる奴も覚えてない奴も、どっちもいるし。

そうだね。あれはあっという間に死ぬからね。

アレッ!? と思ったらもう死んでるんだよね、たまんねーよ、ほんとに。

五秒とか、六秒とか、そんなもんじゃないの。錆び始めたら死ぬまで。数えたわけじゃないけどさ。

耳元で音がしたよ。ザーッって。それ、自分の身体が崩れる音ね。

 

あんたも聞いたでしょ?

あの音を聞いたんでしょ?

あの音を聞いたから、ここにいるんだもんね。

 

 

……説明、続けていい?

ここはアルカナに支配されてるらしいよ。

アルカナ――小アルカナっての。WAND、CUP、SWORD、PENTACLE。小難しいやね。

俺? 俺は違うって。そんなエラクないよ。俺はただ、ここにいて説明するだけ。

知らないよー、アルカナが誰かは俺も知らない。みんな知らないんだよ。でもいるの。

あんたの身体にも、アルカナの支配は及ぶよ。うん、俺みたいにね。そのうちね。

 

生活は、わりとフツーだよ。

飯食ったり、遊んだり、ダベったり。

そうそう、飯食えるんだよ! 死んでも飯食えるなんてラッキーじゃん!

仮冥界は、店とかあるよ。

なんだかなーとか思ったけど、だってさぁ、あんまし生界と変わんないんだよな、そこらへん。

うあ、まあちょっと……ちょーっとズレてるような気がしないでもないけどね。

店の……なんての? 店構え、とか? 昔風っていうか……口では説明しにくいなあ。

レトロっての?

ん、でもなんでレトロなんだろ??

あんたわかったら教えてよ。俺も気になるし。

 

あと金ね。

あんたいくら持ってる? ちょっと見せて……うお、金持ちだなっ。今度なんか奢ってよ~。

この金使えっからさ。とりあえずこれ使って~。あとはそのうちバイトでもすればいいよ。

そ、死んだ時に持ってる金を持ってる!

んだよ、つまり。

 

あと住むとこ。

えっへへ、心配すんなよぅ、ちゃぁんとあるって、住むとこ。

仮冥界は四つの地区に分かれてる。

さっきのアレ、アルカナ四属性ね。

あんたの属性はなに?

俺? 俺はSWORDだよ。塚本圭太/SWORDだ。

だから俺はSWORD属性の地域に住んでる。そういう決まりなんだ。自分の属性の土地に住むの。

WANDが南

CUPが東

SWORDが西

PENTACLEが北

だから俺が住んでるのは西区。

別に憶えなくってもいいよ。だいたいこんなカンジってだけね。

仮冥界には空家がいっぱいあってねえ。長屋みたいな日本家屋ばっかなんだけどさ。家賃無料だぜー。

 

四つの地区は、四つの門に区切られてる。

門から先には行けないよ。

門の先は生界に続いてるんだけど、勝手にはくぐれないの。

くぐったらどうなるかって?

しーらない。やったことないもん。

門をくぐるにはアルカナの許可がいるんだよ。

で、俺達は時々アルカナに呼び出されて生界に降りて色々やるわけだ。

ま、生界に行っても、生きてる連中に俺らが見えるわけじゃないけどね。

それでも……。

……ごめん、なんでもないッス。

 

 

えーと、もういいかな。だいたいわかった? じゃあ俺はもう行くよ。

俺、忙しいんだよ。ここんとこ死人が多くってさー。

泣いたって無駄だよ。生界には帰れないよ。

あとのことはほかの連中に訊いてよ。みんな俺より優しいしさ。説明、下手なんだよ、俺。

 

これからなにしたらいいかって?

そうだねェ。

とりあえず人と喋るんだね。

いっぱい喋って、ここで暮らして、たまに生界に降りたりもして――。

そんだけ!

 

 

最後に、これだけ言っておこっかな。決め台詞ってヤツさー。

 

 

いらっしゃい。

ここは仮冥界。生と死の狭間をたゆたう世界。

 

 

なんで自分がここにいるのかって?

そのうちわかるよ、そのうち。

 

 

 

 

たぶんね。

 
 
 

Tag: 塚本圭太 オープニング 門番